慢性疲労症候群
週刊朝日 2008年5月2日号に倉恒教授の談話を、田村伴子ライターが3ページにわたりまとめた記事が載っていました。
以下、要点を抄録します。
最近、CFSの症状を呈する人々が増えてきている。まず、症例を上げて説明。
会社員の松下さん(33歳)は、3年ほど前から毎晩残業が続き、帰宅が終電近くになっていた。
1年ほど前、風邪を引いたことをきっかけに、急に疲れが強くなりドリンク剤を飲み、何とか対処していたが、歩くのもつらくなってきた。午後になると、37度程度の微熱が出て、頭痛や吐き気もあった。そしてある朝、ベッドから起き上がれなくなった。
近くの病院を受診したところ、ビタミン剤を処方されたが改善しなかった。
そこで松下さんは、インターネットで調べ上げ、CFSではと疑い、大阪市立大学病院の「慢性疲労外来」を受診した。
多くの検査では異常はかったが、CFSの特殊検査をしたところ、免疫力が明らかに低下し、アシルカルニチンの血清濃度も低かった。
そこで診療した倉恒教授はCFSと診断し、ビタミンB12、ビタミンC、胃薬、補中益気湯による標準的な投薬を行った。
12週間飲んだところ、だるさが徐々に和らいできたという。
次にCFSの病状に関する一般的な説明があるが、省略。
わかりやすくいえば、がんや更年期障害などの原因となりうる病気はないのに、極度の疲労感にさいなまれる病気だ。
これは、単一なる慢性的な疲れではなく、治療が必要な重度の疲労病。
発症時の年齢をみると、20代半ばから30代半ばまでが最も多く、ここ数年は、10代からの働き盛り世代にも増えている。
現在のところ、ストレスとヘルペスなどの感染症が、CFSの発症にかかわっているといわれている。
http://www.hirou.jp/taiken/zu5.html
CFSは抑うつ症状をともなうこともある。(症例 2)
出版社勤務の中野さん(27歳)は、締め切りに追われる仕事で、過労が続いた。
生来のきまじめな性格もあって、時間に追われる仕事がストレスになっていった。
1年ほどして疲れが取れない、眠れない、気分が落ち込んでやる気が出ない状態に。
こうした症状が半年ぐらい続いた後、かかっていた心療内科で「慢性疲労外来」を紹介された。
倉恒教授は、CFSと診断。CFSの標準的な治療を開始した。2ヵ月ほどして、疲れが少し改善され、寝つきがよくなった。
だが、集中力の低下と不安など精神的な症状もあることから、精神科の受診をすすめたところ、「抑うつ神経症とCFSとの合併」と診断され、抗うつ薬SSRIも処方された。
飲み始めて2カ月ほどで疲労、脱力感、集中力の低下の症状は明らかに改善し、半年ほどで日常生活に支障を感じないほど回復したという。
CFSは、ストレスと結びつきの強い病気なので、治療は精神疾患とのかかわりをみてすすめる。
精神疾患が認められないCFSの場合は、標準的な治療となる。CFSになったことで、二次的にうつ状態や神経症などの精神疾患をともなう場合は、抗うつ薬やカウンセリングなども採り入れる。
CFSの治療や疲労のメカニズムは、国をあげての疲労研究で明らかになってきた。
さらに、疲労の程度を測る検査キットや疲労センサーの開発も進められており、実現すれば、疲労の度合いを知って病気の予防につながるので、期待される。
さらに、名医のセカンドオピニオンとして、九州大学病院 久保千春院長の談話記事も載っています。
99年の調査では、6割の人が疲労感を感じ、そのうち2人に1人は、半年以上も疲労が続いている。
現在、日本では就労人口の0.3%、24万人程度がCFSの可能性があるという。
1晩寝たら取れる疲れから慢性的な疲労へと、疲れの質が変わってきている。
しかし、まだまだCFSという病気の存在が十分に知られていない。
病名が特定しないので患者は不安になり、仕事を休もうにも診断書を書いてもらえないのが現状だ。
そのため、内科や心療内科、精神科などを受診しても病気が分からず、インターネットや新聞などで、CFSという病名を知り、ようやく疲労外来などにたどり着く患者も多い。
さらにCFSは、集中力や思考力の低下、筋肉痛などの多くの症状を伴うことが多く、うつ病やFMSとの違いも分かりにくい。
CFSにかかったことで、精神的に落ち込み、二次的にうつ状態などの精神症状を引き起こしたのか、それとももともとうつ症状があり、さらに身体的な疲労が加わったのかを見極めることがポイントだと言う。
これまでは、6カ月以上続く原因不明の全身倦怠感を訴える患者に対し、CFSと診断するには、次の三つの条件を満たすことが必要だった。
①疲労の原因となる他の疾患がない
②急激で新たな倦怠感
③頭痛や筋肉痛、関節痛、微熱などをともなう
しかし、すべてに当てはまらなくても原因不明の慢性疲労を訴える場合は、特発性慢性疲労と診断し、経過をみていくとの指針が昨年、日本疲労学会から出された。それによって、特発性慢性疲労に当たる人は240万~500万人にのぼると予測されている。
対処法としては、脳の疲れをとるには睡眠が必要。
また、疲れを取るには、緑茶の香りの成分「青葉アルコール」などが効くという。
ほかにも、笑いや温泉、入浴などにも疲労回復の効果がある。
感想 CFSの治療に関しては、新しい知見は無さそうですが、特発性慢性疲労に当たる人が~500万人と言うのは大変なことと思います。
また、ここで取り上げられた2症例では病状が改善したようですが、CFSの標準治療法では改善しない人も多いようです。
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コメント
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投稿: watcherdesu | 2008年7月16日 (水) 08時47分